「最近、以前よりも疲れやすくなった…」「重い買い物袋を持つのが大変になった…」
そんな体の変化に、少し不安を感じていませんか?年齢と共に進む筋力低下は、誰にでも起こることですので決してあなただけではありませんよ。
とは言え、そのまま何もしないでいると益々筋力は衰えていく一方です。
そこで今回は、ジムに通ったり、激しい運動をしたりしなくても、ご自宅で簡単にできる「ゆる筋トレ」をご紹介します。
ゆる筋トレは、体に大きな負担をかけることなく、少しずつ筋肉を刺激し、筋力低下を予防することを目的としています。無理なく続けられるので、今日から健康維持・筋力低下予防の為に是非、始めてみて下さい。
ゆる筋トレがもたらす5つのメリット
ゆる筋トレは、ただ筋肉をつけるだけでなく、皆さんの日々の生活をよりスムーズにするための様々なメリットがありますので、特に大切な5つのメリットについて詳しくお話しします。
1. 転倒予防につながり、自立した生活を長く保てる
60代以降の転倒は、骨折や寝たきりの原因となる大きなリスクです。ゆる筋トレで足腰の筋肉を鍛えることは、転倒予防に直接つながります。
特に、太ももの筋肉やふくらはぎの筋肉は、バランスを保ち、体を支える上で非常に重要です。筋力が維持されることで、歩行が安定し、つまずきにくくなります。
これにより、誰かの手を借りることなく、ご自身の足で自由に外出したり、家事をしたりする自立した生活を長く保つことができるのです。
2. 基礎代謝が上がり、太りにくい体質になる
筋肉は、何もしなくてもエネルギーを消費する「基礎代謝」を上げる役割を担っています。ゆる筋トレで筋肉を増やすことは、基礎代謝を上げることにつながります。
基礎代謝が上がると、食べたものがエネルギーとして消費されやすくなるため、太りにくい体質になります。体重が増えすぎると、膝や腰に負担がかかり、運動がさらに億劫になってしまうため、ゆる筋トレは良い循環を生み出すきっかけとなります。
3. 良い姿勢が保たれ、肩こりや腰痛の改善に役立つ
姿勢を保つためには、背中やお腹の筋肉(体幹)が大切です。ゆる筋トレでこれらの筋肉をバランス良く鍛えることで、背骨をしっかりと支え、猫背になるのを防ぐことができます。
良い姿勢は、見た目の若々しさだけでなく、肩や首、腰にかかる負担を減らし、肩こりや腰痛の改善にもつながります。正しい姿勢で過ごす時間は、呼吸も深くなり、心身ともにリラックスする効果も期待できます。
4. 関節への負担を軽減し、痛みの予防につながる
筋肉は、関節を保護するサポーターのような役割も果たしています。特に、膝周りの筋肉を鍛えることは、歩行や階段の昇り降りでかかる膝への負担を軽減します。
ゆる筋トレでは、無理のない範囲で筋肉を強化するため、関節を痛めることなく、痛みの予防や緩和を目指すことができます。筋力がつくことで、関節の動きがスムーズになり、日常の動作が楽になるのを実感できると思います。
5. 脳の活性化につながり、認知機能の維持に役立つ
運動は、体だけでなく脳にも良い影響を与えます。筋肉を動かす際には、脳から筋肉へ、そして筋肉から脳へと信号が送られています。この一連の動きが脳を活性化させ、認知機能の維持に役立つと考えられています。
また、新しい運動に挑戦したり、数を数えたりすることは、集中力や記憶力のトレーニングにもなります。ゆる筋トレは、体を動かしながら脳を鍛える一石二鳥の健康法なのです。
今日から実践できる!自宅でできる「ゆる筋トレ」4選
ここからは、自宅でできる簡単な筋トレを4つご紹介します。特別な道具は必要ありません。それぞれの運動がどこの筋肉に効くのかを意識しながら行うと、より効果的です。
1. 足腰を鍛える「椅子スクワット」
スクワットは「筋トレの王様」とも呼ばれるほど、全身の筋肉を効率良く鍛える運動です。椅子を使うことで、バランスを崩す心配がなく、安全にスクワットを行うことができます。
- 椅子の前に立ち、両足を肩幅より少し広めに開きます。手は胸の前で組みます。
- 背筋を伸ばし、お腹に軽く力を入れます。椅子に座るようなイメージで、ゆっくりとお尻を後ろに下げていきます。
- お尻が椅子に付くところで、1秒ほど静止します。無理のない範囲で構いません。
- ゆっくりと元の姿勢に戻ります。膝がつま先よりも前に出すぎないように注意してください。
この動きを10回を1セットとし、無理のない範囲で行いましょう。太ももの前側やお尻の筋肉にしっかりと効いているのを感じられるはずです。
慣れてきたら10回1セットを2セット、3セットと増やせると更に効果が高まります。注意点としては連続で行うのではなく、10回やったら、1分間の休憩を取ってから2セット目を行って下さい。
2. 姿勢改善にも効果的「壁プッシュアップ」
胸や肩、腕の筋肉を鍛える運動です。通常のプッシュアップよりも負荷が軽いため、体力に自信がない方でも安全に行うことができます。姿勢を保つ筋肉も鍛えられるので、猫背の改善にもつながります。
- 壁から一歩離れて立ち、肩幅より少し広めに両手を壁につけます。
- 息を吸いながら、ゆっくりと壁に体を近づけていきます。この時、体を一直線に保つことを意識してください。
- 息を吐きながら、元の位置にゆっくりと戻ります。
この動きを10回を1セットとし、無理のない範囲で行いましょう。この運動は、上半身の筋力をまんべんなく鍛えるのに適しています。
3. 血行促進にも「かかと上げ・つま先上げ」
ふくらはぎの筋肉を鍛える運動です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれており、血の巡りを良くする重要な役割を担っています。座ったまま行うバージョンもありますが、立つことでより効果的に筋力を高めることができます。
- 椅子の背もたれや壁に手をついて体を支えます。両足は肩幅くらいに開きます。
- 息を吐きながら、ゆっくりと両足のかかとを上げます。ふくらはぎの筋肉を意識しましょう。
- かかとを上げきったところで数秒間静止します。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
- 今度は、つま先を上げた状態でかかとのみで立ち、数秒間静止します。
この動きを交互に10回を1セットとし、無理のない範囲で行いましょう。バランスが不安な方は、椅子や壁にしっかりとつかまって安全に行うようにして下さい。
4. お腹周りを引き締める「腹筋トレーニング」
お腹周りの筋肉を鍛える運動です。座ったまま行うため、腰への負担が少なく、無理なく続けることができます。腹筋を鍛えることで、お腹周りを引き締めるだけでなく、良い姿勢の維持にもつながります。
- 椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばします。両手は椅子のふちに添えても構いません。
- 息を吐きながら、お腹に力を入れて、両足をゆっくりと持ち上げます。膝は軽く曲がっていても構いません。
- 数秒間、その姿勢を保ちます。
- 息を吸いながら、ゆっくりと足を下ろします。
この動きを5回から始め、慣れてきたら回数を増やしてください。腰を反らないように、正しい姿勢で行うことが重要です。
ゆる筋トレを始める前に知っておくべき注意点
安全に、そして効果的にゆる筋トレを続けるために、いくつか注意点があります。
- 運動前のストレッチと水分補給: 筋トレを始める前には、軽く体をほぐすストレッチを行い、筋肉を温めておきましょう。また、運動中や運動後には、こまめな水分補給を心がけてください。
- 正しいフォームを意識する: 間違ったフォームで運動を続けると、効果がないだけでなく、体を痛めてしまう原因にもなります。鏡を見たり、動画を参考にしたりして、正しいフォームを意識することが大切です。
- 無理をしない: 「ゆる筋トレ」の最大のポイントは、「無理をしないこと」です。痛みや違和感を感じたら、すぐに運動を中断しましょう。自分の体の声を聞きながら、心地よいペースで続けることが大切です。
- 休息をしっかり取る: 筋トレは、筋肉が回復する過程で強くなります。毎日休みなく行うのではなく、2~3日に1回、またはご自身の体調に合わせて休息日を設けることが大切です。
もっと運動効果を高めたい方は…
ここでご紹介した筋トレは、特別な道具がなくてもできますが、もっと効率的に筋力をつけたい、運動の効果を高めたい方は、専用のトレーニングバンドや軽いダンベルなどのサポートアイテムも役立ちます。
別の記事でサポートアイテムを詳しくご紹介しますので、興味があったら是非そちらも読んでみて下さい。
あなたへの応援メッセージ
今回は、ご自宅でできる「ゆる筋トレ」をご紹介しました。
加齢による筋力低下は避けられないことですが、正しい知識と無理のない努力で、その速度を緩やかにすることができます。日々の生活で感じる「少し重いな」という感覚や「立ち上がるときにふらつく」といった不安は、ゆる筋トレで解決できるかもしれません。
完璧を目指す必要はありません。ご自身のペースで、少しずつでも体を動かすことが大切です。体を動かすことを「やらなければならないこと」ではなく、「毎日のちょっとした楽しみ」に変えて、これからも健康で生き生きとした日々を過ごせるよう、心から応援しています。
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